派遣時給が下がる？同一労働同一賃金の落とし穴

時給アップ？かと思いきや、時給が引き下げ！？
同一労働同一賃金の落とし穴を実体験をもとにご紹介します。

同一労働同一賃金とは？

非正規雇用（派遣など）の待遇を正社員へ近づけようという施策です。

同一労働同一賃金により、これまで多くの派遣社員の方が支給されていなかった交通費・賞与・退職金が支払われることになります。

派遣先か労使協定のどちらを基準とするか派遣会社が決める

同一労働同一賃金では、賞与や退職金の基準を派遣先に合わせるか派遣会社の労使協定に合わせるか、派遣会社が選ぶことができます。

※派遣先に合わせるということは、派遣先の正社員の手当等を詳しく知る必要があるため派遣会社は労使協定を選ぶ可能性が高いと思われます。

詳細は厚生労働省の公式ページで確認することができます。

そして今回は、労使協定を選んだ派遣会社のお話をしていきます。

大手派遣会社の場合（体験談）

本来であれば時給にプラスして賞与と退職金が支給されるはずですが、実際に派遣元営業さんから来た内容は「時給は変わらずに交通費を別途支給する」という内容でした。

労使協定に従った基準額

私が働く派遣会社では、次のような規定となっております。

例）現在の時給1500円、勤務先東京の場合

1500　×　1.14　×　0.02　＝　34円（賞与）
（1500　+　34）×　0.06　＝　92円（退職金）
1500　＋　34　+　92　＝　1626円（2020年4月からの時給）

このように、本来であれば126円の時給アップとなります。

それが今回私が派遣元から伝えられた「時給は変わらずに交通費を別途支給する」 になると…。

例）新しい時給1500円、勤務先東京の場合

1384　×　1.14　×　0.02　＝　31円（賞与）
（1384　+　34）×　0.06　＝　85円（退職金）
1384　＋　34　+　92　＝　1500円（元の時給と同額）

新しい時給が1500円となる場合、賞与と退職金を含めない基準時給は1384円です。

126円アップどころか、元の1500円から116円の時給ダウンとなってしまいます。

今後の対応

交通費が支給されるだけ有難いという心境もありつつ、新たに支給されるべき給与が支給されないという悔しさを抱えています。

そのため、4月までの間に労働基準監督署などにも相談し、時給の引き下げという不利益な変更がまかり通ってしまうのかを確認したいと思います。

2020年4月前に労使協定を確認しよう

労使協定で支給されると記載されていても実際は時給がアップされずに、現状維持にとどまる可能性があります。

働き方改革の中で、自分の待遇が改善されるこの機会を無駄にしないように、ご自身の派遣会社のお知らせや通知にはしっかり目を通して確認してみるのが良いでしょう。